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ひよ銀コピー新刊
2007-08-13 Mon 21:55
20070813215502

8月○日
川に行きました!
森に入って、山の方にのぼっていったら、だんだん水の流れる音が聞こえてきて。
うおおお、川だっ! 
魚がいたよ!!
ひらひらきらきら泳いでたっ!
木もれ日も、きらきら。
鳥の鳴き声が、森にこだましてる。
セミさんは相変わらず、ミンミンジージーつくつくとウルサイけど、すっかり慣れてきたオレの耳には、川の流れる音の方が大きな音に聞こえます。
水、入っていいの?と聞いたら、蛮ちゃが「あぁ」というので。
サンダル脱いで、川のそばに揃えて置いて、大きな岩に手をかけながら、つまさきをつーんと伸ばす。
お水に足の先をそろっとつけたら、「ひゃーーーーーっ!」っていうぐらい冷たくて。
オレは、あやうく泣きそうになりました。
なんでか、わかんないけど。
そんなに冷たいって知らなかったし。
そんなに冷たい水が川になってるって、なにかすごくびっくりして。
蛮ちゃを振り返ったら、頭をぽんぽんとされた。
山から降りてくる水は、そんなもんだって。
蛮ちゃがいうので。
涙は出る前に止まったけど。
そおなんだ。水道のお水とはちがうんだね。
そーいえば、雨が川になるって、本当なのかな。
雨って、お空の涙なんでしょ?
それが川になって、水道のお水になるの?

お空の涙を、オレたちは、ごくごくと飲む。
だから、それが冷たいと、胸がきゅーんとなって、泣きたくなるのかな。
ねえ、そうなのかな? 蛮ちゃ?

「どうした?」
「んーんー、ぴぃい~~」
「なんで泣く?」
川に爪先を浸すなり、びくっ!と瞳を大きく見開き、じわ…っと涙を浮かべる銀次に、蛮がくすりと笑むと宥めるように髪を撫でた。
「どうしたよ?」
「うう…っ、つめたー」
「びっくりしたか?」
「あうー」
「そっか。確かに、アパートの水道の生ぬるい水とは違えな」
「んー」
「けど、気持ちいいぜ」
言って、履いていた下駄(家にあった)をからんと脱ぎ捨て、蛮がジーンズのまま、ざぶと川に入る。底は浅そうだが、それでも脹脛の真ん中あたりまでが水に浸った。
「ほら、来い」
「蛮ちゃ?」
「手、出せ」
「う…」
「大丈夫だっての。おら」
言って、川の中から両手を伸べられ、銀次がそれに掴まって、おそるおそるちゃぷんと足を入れた。
「つめたっ」
「あぁ、でも、気持ちいいだろが?」
やさしく紫紺の目を細められ、こくんと肯いて、ゆっくりと銀次の顔に笑みが浮かぶ。
「あいっ」

冷たさに慣れてしまえば、後はもう、すぐにきゃっきゃとはしゃぎだして。
ぬめる石に転びそうになるので、片手はずっと蛮と手を繋いだまま、流れの静かな川の中をばしゃばしゃと移動する。
「気持ちいーい」
「だろ?」
「あいっ!」
銀次の楽しげな笑い声が、木々の間にこだまする。
鳥の声も、さっきよりずっと近くで聞こえる気がした。

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